人によっては耐え難いほどの苦痛を伴う耳鳴りですが、耳鳴りは自体は病気ではありません。あくまでも症状の一つです。程度の差こそあっても、耳鳴りをまったく感じたことがないという人はほんの一握りでしょう。
健康な人にもその症状が出る「生理的耳鳴り」。急に静かな所に行くと「シーン」と聞こえませんか?これが生理的耳鳴りです。
そもそも、静かな所や状態を表現するのに「シーン」という音を使うのは不思議ですよね。この「シーン」の原型になったのが、夏目漱石が小説の中で使った「しん」という言葉。それを転じて手塚治虫が漫画の中で「シーン」と使ったのが源流だと言われています。漫画における擬態語の父・手塚治虫が発祥というのは、興味深い話ですよね。
静かな場所で本当に「シーン」は聞こえるか?という命題に、NHKが挑みました。とある女性が「シーン」が聞こえたという森の中に精巧な機械を置いて計測してみたのですが、音は出ていないという結果に終わりました。NHKはさらに分析を進め、その「シーン」は女性の耳の中から発していたのだろうと結論づけたのです。
いわく、人間の耳の奥には「ダンス細胞」というものがあり、拾った音を増幅する役目をしているとのこと。このダンス細胞は音が小さければ小さいほど働くがんばりやさんで、それゆえ、無音に近いの場所に行くとこのダンス細胞の活動音が「シーン」と聞こえる、というのがNHKの総括でした。生理的耳鳴りの正体は、ダンス細胞だった!?